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人生で最も感動したAV作品になった。
これはもはやAVではないのかもしれない。
いやもちろんセックスシーンはあるのでAVではあるが、Amazonの『バチェロレッテ』のような、恋愛リアリティショーに近い。故にAVを楽しみたい人にとっては駄作に思われるかもしれない。なぜならAVに求められるカラミは少ない。画面には長い尺をとって、一人の女性を、3人の男性が本気で求める姿が長々と映し出されている。しかも出演者が素人だから手際が悪いところもある。
『バチェロレッテ』は、とある才色兼備、完璧な独身女性を多数の男で求め争うのだが、参加者である男性は応募の時点では、ほとんど女性のことを知らない。男性は「金持ち」であるとか「育ちがいい」とかそのような記号的なものに惹かれて、もしくは「出演して有名になりたい」「仕事につなげたい」という思い応募している。すなわち野心が少なからずあるのだ。”愛”や”恋”が先にあるわけではないのだ。
しかし今作では、元から白石茉莉奈を好きで好きでたまらない素人が、白石茉莉奈とセックスをしたくて出演している。そこに、「金持ちになりたい」とか「有名になりたい」とかそのような欲はなく、純粋にセックスが目的なのだ。清々しいではないか。サイパンの美しい風景が、一瞬一瞬を全力で楽しもうとする素人の表情が、そしてそれを包み込む白石茉莉奈の少女であり、聖母のような振る舞いが、2016年の段階で、『バチェロレッテ』という作品を凌駕して超えられない作品へと昇華している。
高橋がなり氏の言葉を借りて監督がある提案をする。
その提案を胸に白石茉莉奈は最後の一人とデートをする。そして白眉である告白のシーン。なぜか全員全裸になり笑ってしまうが、よくよく考えるとすごい光景で、出演者の男性がどのタイミングで勃起して、どのタイミングで萎むのかがモザイク越しとはいえ一目瞭然で、それは残酷で、憐れで、哀しい。
告白直後のシーンがまさに迫真であり、バチェラーを彷彿させる。ただ一晩過ごすだけの選択に、ここまでの本気感を醸し出されていることに全力で敬意を表したい。AV女優といえど、自分のことを本気で好きでいてくれる人と一晩身体を重ねるということは、やはり大事な選択なのだ。1人の人と向き合う姿勢に心打たれる。
白石茉莉奈の最後の行動の美しさたるや。全編を通して観るからこその愛おしさよ。最高。
バチェ
2020-10-12