冒頭や各シーンでの出だしや男女関係の描写とオチから、高水準なのは納得。
性欲の描写だけでも、これ以上ないほどの構成とシチュを魅せるし、助演女優”吉良薫”の起用の絶妙さも光る。
恋愛感情も巧く絡めて成立させて来るのは職人芸と言って良い。
”性欲”と”心”の活用で1ランク上の領域の作品に昇華。
しっかりと”あいか”の心情や決意(ラストの笑み)が見れ、面白い。
”至高の傑作”が見える…が、至る”一歩”は見付けられなかった。
”あいか”の女性としての魅力は充分過ぎる程に溢れ、”ハジメ”への”愛”も充分に感じたのに。
奪う側の性欲と心と愛と決意を見せ、奪われる側の心情も見せ、”腑に落ちる”展開とオチで”傑作”は至ったが…
なぜ、”あいか”が”ハジメ”の何処を好きになったのか?何処に惹かれたのか?何処に未来を見出だしたのか?が無いのだろう。
しっかりとした描写が欲しい訳ではないですが、女が好み・惹かれ・見出だす、”男の魅力”の提示が今作においては”至高の傑作”への”一歩”でしょう。
禁欲で”男気”や”男の覚悟”は見出だせましたが、恋愛オチですし…
普通の恋愛作品なら、それこそイチャラブっぷりを展開すれば、至り易いですが…”略奪愛”作品なら尚更、女が踏み切る”男の魅力”が無ければ、燃え尽きない気持ちが残りますね、狂おしく燃え尽きたい…
優しさはまだしも、あれだけした関係をへての告白に即断即決出来ない軟弱さというか優柔不断さを見出だすと、友人を捨ててまで選んだ理由”男の魅力”がピンと来ない。
”惚れた弱み”と言えなくもないが、単なる寝取りではなく、略奪愛という脚を止めての殴り合いの恋愛ゆえに、男に見出だした魅力・価値・未来を、それこそ事柄は千差万別だが、何か踏み切る”これ”という描写が欲しかった。
例えば、男の優柔不断さが不安要素ゆえに彼女との別れをしっかり切り出して”男の成長”を見せた上で、別れを決定的にするために、女が”私にくれない?”と言う流れになれば、女が男に賭けた”期待”という表現になった気がします。
状況が雪崩の様に勢いのみで展開する”寝取り”ならまだしも、”奪う”ことを掲げ、”略奪愛”へと純化しようとするなら、それこそ”漢”な姿勢が見えなければ、女は決断しないと思うんですよね。
TA-KUMA
2021-09-07