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決してセリフは多くありませんが、セックスを繰り返す中で二人の関係性が徐々に近づき、感情に変化が表れて…というプロセスを楽しめる作品です。
もちろんAVですからセックスをしているシーンがほとんどなのですが、セックスをしながら二人の感情が見えてきて、それがストーリーに関わってくる、という部分が一般的なAVと一線を画す特徴となっております。
すなわち本作は、監督である朝霧浄さんの得意とするパターンであり、見る者にAV以上の感情を動かす名作となっています。
特に今回良作となっている原因は、主演である神宮寺ナオさんの演技によるものが大きいでしょう。
特にセリフ回し部分には若干のぎこちなさも見られるのですが、セックスにおいて見えてくる感情という部分が実に豊かに表現されていて、目を引き付けます。
彼女は、感じてくると眉を潜めて困り顔になってくるという特徴があるのですが、それが「夫がいるのに、その夫との不和を慰めてくれる優しい男に心を絆されて困惑している」かつ「セックスに快感を覚えてしまっている」という二つの気持ちに揺られて戸惑っている彼女の気持ちを絶妙に表現しています。
そんな困り顔の彼女が、最後のセックスで自らイニシアチブをとる、積極的に気持ちよくなってもらおうとする、そして最後は大きな快感を得てしまう、という流れが、ラストシーンのナオさんの行動に説得力を持たせています。
彼らの未来が順風満帆かどうかはさらに別の話ですが、まずはそのスタートにエールを送りたくなる、素直な気持ちを持てたのも、そこまでの二人のセックスで関係性に見ながら違和感を持たず、二人の気持ちに寄り添えるようになっていたから、なのです。
夜のセックスをあえてショートカットしている、というのも面白い演出ですね。
セックスといえば夜のイメージですが、この二人の関係性においては、必要なセックスは、夫が出かけた直後の午前中のセックスであり、学生時代の思い出に浸る(放課後を想起させる)夕方であり、新たな世界が開ける象徴である朝なのです。
常に、見る者にAVだけでない映像作品としての爪痕を残してくれる朝霧浄監督。
今回も、神宮寺ナオさんという素晴らしい素材を手に入れて、新たな化学変化を生んでくれた一本となりました。
AVレビューオオシマ
2021-09-21