淫らな自分を内側に封じ、心の充足を得る為に穏やかな男を夫にし、貞淑に日々を過ごす妻にふりかかる傲慢な運命といったところでしょうか。
藤森里穂さんが薫り立つ淫らな匂いを隠して演じる妻の姿と淫らな女の姿は、非常にそそりますね。
このシリーズで、よくある夫への諸々でなく、”付き合え”や”俺の女になれ”という手に入れたさで動く上司なのだが、そこまで言ってる割に行動が合致しないのが、今作の人気が登り詰めない要因でしょう。
極端な話を言えば、この人気は女優さんによる人気であり、それほど藤森里穂さんが主体にしている姿と異なる姿を魅せ、それがそそるからですね。
藤森里穂さんの演技は素晴らしいが、男優が演じる上司役の決意と覚悟が見えないのがドラマとしての興奮による人気に繋がらないと言える。
未婚者の上司が部下の妻に横恋慕したから、今回の行動と行為に踏み切らせたというのが、”付き合え”や”俺の女になれ”という台詞から感じさせるのだとしたら、悩み苦しんだ姿も雰囲気も全く見えない行動と行為を見せられても何も共感出来ず、また、そんな台詞を口にし行動と行為を繰り返すのに、手に入れた後のことを想像出来ない、ある意味、論理的な思考が出来ない人間に思えるので、更に共感出来ないのが、男としても人としても共感出来ず、そこから得られる興奮も無いのが一番駄目ですね。
これなら、シリーズの他の作品の様に弱味につけ込み、弄ぶという”性愛”の方が面白い。
”略奪愛”的な流れにしたいなら、歪でもしっかりと愛し、略奪した後に公になる時の決意と覚悟を見せるほどでないと、このドラマ部分は活きませんね。
もし、これが現実だとして、略奪したとすれば、どんなに上手くやったところで、会社にバレ、信頼度が霧散するどころか、人間性も疑われ、その上で少なくない金額の支払いと義務を背負い、それでも愛しい女と人生を歩む(会社を解雇されても不思議ではない)という選択の重さと行動と行為の軽さが合わないのに、葛藤も苦悩も無いから面白みも無い。
無難なテンプレでなく制作するなら、せめてしっかりした流れは作るべきかと。
TA-KUMA
2021-11-29