シンプルな地味子覚醒ものだった川上奈々美バージョンから作風を変え、夫との仲が冷え切った人妻という設定は『バイト先の欲求不満な人妻とヤリまくった日々。』のアレンジといった印象。日下部加奈があの作品に出たときはシリーズの他の出演女優と比べてカラミの演技力で見劣りしていて、そのことはレビューにもはっきり書いたが、あれから一年足らずで飛躍的に演技を磨いており、意図的なものかどうかは分からないが個人的には今回はリベンジという印象が強い。
酔った流れでの前半のセックスから、淫らさを解放しての後半のセックスまで、中盤の疑似も込みでカラミの構成もだいたい同じなため比較しやすく、それぞれのシーンに必要な感情を解釈した上での女優の表現力の成長が分かりやすい。特に『バイト先~』では目が閉じがちで顔が硬直していた表情の伸びしろはすごい。成り行き任せでここまで伸びるわけないし、女優の努力の賜物だろう。
苦し紛れに夫に初めてついたウソをきっかけに、仕事中に職場から逃げ出すために同僚にウソをつき、最終的に「ウソなんていくらでもつけるように」なる人妻だが、中盤にはウソつきシーンが足りないので、もう1カットくらいウソが上手くなっていくのが分かるような描写が欲しかったかも。
それでもついに中出しの快楽が欲しくなってしまった人妻の「大丈夫な日だから」にウソの匂いがしたり、裏切りの快感を得るための結婚の価値に気づいてしまうエンディングまで、背徳感が割と振り切れてていい感じ。ラストの「おめでとうございます」の後に目線が女の側を向いて終わったのは意図的な演技だろうか。
メガネやメイクには女心の変化が見えるのに、下着は使いまわしてたり変化が微妙だったり、エキストラの使い回しが雑だったり端役女優がなぜか不機嫌っぽくて雰囲気悪かったり、トニー大木の目を閉じたカラミが女優の本気度と噛み合ってなかったり、ディテールの部分で粗が目立つのが作品としては満点に届かないが、女優はホールド系を含む手の演技のバリエーションが増えていたり、ここ数作で比べても進化を続けており、こちらは逆に満点をつけたとしてもあくまで「現時点では」の注釈がつく。
月1作品の専属女優が成長を続けてるのだからメーカーも責任重大。ここが勝負どころと思って企画やキャスティングには気合を入れていただきたい。
じっくりゆっくり
2021-12-08