この作品を観て最も印象に残ったのは、「気持ちいい」という言葉を発するシーンが複数回有るのですが、最初・途中・最終段階の夫々における心の状態が全く異質である点を見事に描いている事です。創る側、演じる側共に意識をしないとこれは出来ないと思います。
性に対して自分は清廉潔白だという認識が少しづつ、少しづつ剥がされていき、自分がセックスに対してどれだけ隷属的なのか、自分がいかに肉欲にまみれた性奴●であるかをじっくりと心の奥深くに思い知らされる未亡人。犯●れ続ける日々の中で「理性の人」から「本能の女」にゆっくりと変貌してゆく、そんな様を三宮つばきさんは見事に演じきっています。
最初の「気持ちいい」という言葉を口にしたシーンは実に切なく、つばきさん演じるすずさんがたまらなく可哀想に感じました。
最終段階の「気持ちいい」という言葉は、もう「理性の人」には戻れなくなってしまったすずさんの、肉欲を必死に否定していた自分へのレクイエムです。
今までの作品と比較しても感情移入の度合が全く引けを取らない本作は、観る価値充分と思います。
あと、「妊娠報告」のシーンは、期待をしていたレベルを遥かに超えてエロティックです。素晴らしいです。
FRED S
2023-12-12